トルコリラの遍歴
トルコ共和国のトルコリラは、紆余曲折の多い通貨になります。
2005年、トルコ政府による金融政策により以前のトルコリラを廃止し、新トルコリラを発行しました。そうして2010年、この
新トルコリラの名称がトルコリラに変更された
のです。
トルコ共和国の経済は、1990年代からそのインフレ化が進み、そのインフレ率が100%を超えるなどし、いわゆるハイパーインフレ状態に突入、深刻な状態に陥りました。2004年には最大2000万トルコリラに紙幣が発行され、この事態を重く見たトルコ政府は2005年に100万トルコリラを1新トルコリラ、2000万トルコリラを20新トルコリラなどとする金融政策を行い、その新通貨を発行して、
通貨の切り上げ
を行うことに踏み切りました。
この金融政策は成功し、トルコ共和国は徐々に沈静化していき、2005年以降はインフレ率も10%以内におさまるなど、安定していきました。これにより2010年からは、新トルコリラは改めてトルコリラに改められたのです。
FX銘柄としてのトルコリラ
現在のトルコリラは、
高金利
の通貨としてその名を知られています。
トルコ共和国のインフレは、大胆なデノミネーションにより現在は沈静化しているものの、先進国のそれに比べれば
まだまだ高いインフレ率
を推移しています。トルコ政府はは引き続きのインフレ対策を続けており、過度の物価上昇を抑えるために、政策金利を高く設定しています。
また、トルコリラは近隣諸国との関係により
地政学的リスク
を負っています。
地政学的リスクとは、その地域における
政治状況や軍事的、もしくは社会的な緊張の高まり
から、その地域はもとより、全世界的に伝播していく
先行きの不透明感、
およびそれによって派生するリスクのことを指します。例えば、特定の地域にテロや戦争が発生すると、
その地域に関わる投資銘柄が手放され売り相場になる傾向などがあるのです。
政治不安が多い中東地域に近接するトルコ共和国は、
この地政学的リスクに強く関与される通貨なのです。
トルコリラで投資を考える
トルコリラでFX取引を考えるのであれば、やはりその高金利を利用するのがいいでしょう。金利の低い通貨とのペアの銘柄を選び、その通貨でトルコリラを買って保有し、金利差によるスワップポイントを得ていく投資スタイルで、長期間の通貨保有を行えば、
着実に利益を積み上げる事ができます。
通貨の金利差が大きくなる事が多いので、トルコリラで低金利通貨を買うとマイナスのスワップポイントがつくことに注意しなければなりませんが、
分単位や時間単位などの超短期間の投資スタイル
であれば、為替利益を狙うことも可能です。