システムトレードを考える
FXにおけるシステムトレードとは、簡単に言うと
投資取引の全てをルールに従って行うことになります。
投資をする際の
手順
新規注文を立てる条件やタイミング
そのレートの価格
なども決定しておき、また決済についても
利益確定や損切りの条件、タイミング
なども、全て予め定めた手順にしたがって取り引きを行うのです。
このシステムトレードには、二種類の方法があり、一つは
手動システムトレード
で、もう一つが
自動システムトレード
になります。手動システムトレードは、実際の投資を投資家自らの手で行い、自動システムトレードはその一切を取引ツールのプログラムが行います。
現在においては、システムトレードというと後者を指すことが多く、投資家本人がルールに則って取り引きをするのではなく、
取り引き自体を自動化することが主流です。
予め取引ルールが設定されているか、もしくは自分で設定をし、それを取引システムのプログラムに代行させることで、仕事をしている最中も、遊びに行っている間でも、眠っている時にも、
プログラムが動き続けて投資取引を続けるのです。
最初から取り引きの条件が決まっていて、それを自動的にやり取りしてくれるため、このFXのシステムトレードは、初心者の投資家にも、熟練の投資家にも力強い味方となっていて、今では、各の取引業者からのサービスの提供も始まっています。
FXシステムトレードの良いところ
一口に投資取引や資産運用と言っても、定期預金などの元本が保証されているものから、株取引や先物取引のように値動きがあるものまで、その金融商品のタイプは様々です。しかしながら、定期預金などは日本の超低金利が足枷になっており、
もし、積極的にお金を増やそうと考えるのであれば、
値動きのある金融商品を利用していく必要があります。
システムトレードは手動、自動の如何にかかわらず、予め定めておいたルール、条件に則って、機械的に継続的に投資取引をしていく手法になります。
これに相対するものとして、裁量トレードというものがあります。これは、ルールや条件を厳密に定めることなく、
投資家が都度ごとに自らで判断して注文などをしていく手法
になります。おそらく、多くの人に馴染みのある、一般的な取引方法だと思います。
この裁量トレードは直感的でわかりやすいのですが、それゆえに、
疲労やプレッシャーなどに左右されやすく、精緻な判断にかけることが多い
のが実情です。また、投資家のスキルが問われることも多く、
経験や知識なども必要
であるために、一部の投資家を除いて結果に繋がっていかないというのが現状になります。外国為替相場は、世界中の個人投資家や機関投資家、金融機関などがしのぎをけずっている市場になります。利益を得ようと考えるなら、システマチックな取り引きが必要でしょう。
そんな時には、やはりシステムトレードがそのチカラを発揮します。
精神的負担の軽減
裁量トレードの場合は、その取り引きはほとんど
リアルタイム
が多くなります。秒単位で刻々と変化する為替レートを追い、瞬間で計算と判断とを繰り返しながら、冷静にトレードをつづけるのは簡単ではありません。
少しでも利益が出ると、やはり確定してしまいたくなりますし、逆に損失が出れば、損をするのが怖く値が戻るまで我慢したくなるものです。
経験と知識がなければ状況の判断はできませんし、
冷静で強い精神力がなければ決断を下すことは難しいでしょう。
システムトレードでは、こういった判断に悩むことはありません。予めにルールと条件を決定してしまい、その場ではそれに従うだけで大丈夫なのです。分析をし予測を立て、
精神的にも余裕のある段階で決定したルールと条件ですので、
その判断にも過ちは少ないでしょう。
もちろん、条件決定やルール決めの際には大変悩むものですが、それでも、最良トレードでその判断を瞬間的にその場で行うストレスには遠く及びません。
時間的なゆとり
裁量トレードでは、
リアルタイムで為替市場を見て観察し続けなくてはなりません。
外国為替市場は、世界中で市場が開かれており、それが時差によって重なり合っているために、基本的に24時間の間、いつでも市場が開いています。そのために、いつでも取り引きを行えますが、働いていたりしている場合には、とても時間を持てないでしょう。
もちろん、ネット環境が整備され、モバイル端末の性能も格段に上がった昨今では、昼の休憩時間や、帰宅後でも投資を行えるでしょう。それでも時間は限られ、
体力的にも精神的にも疲労がかさむことが考えられるため、
冷静な取り引きが行えるとは思えません。
しかし、長く取り引きをすることが出来れば、それだけ取り引きの回数を増やせることができるため、利益をつかむチャンスも増やすことが出来ます。逆を言えば、取り引きをしていない時間は、すべてチャンスを逃しているともいえるのです。
先の通りに外国為替市場は24時間で開かれています。まっとうに勝負をするためには、
それぞれの国の市場が活気づく時間を狙うべき
ですし、投機投資家や金融機関などの場合は、取引要員の交代制などを敷いて投資取引を行っているところもあるのです。
この問題を解決するためには、システムトレードが一番です。
システムトレードであれば、為替市場が開いている間はずっと為替レートの動向を監視し続け、チャンスがあれば投資をし、決済をしてくれるために、利益を積み上げる可能性が高まります。
自分の時間と労力を割く必要がなく、その分は仕事や勉強に専念し、その間はシステムトレードが自動的に投資取引を行ってくれるのです。
技量を補う
裁量トレードでは、
為替に対する知識、
世界の経済情報の把握、
相場の動きに対する分析、
それを加味して予測を立てる能力
が必要になります。とくに相場の動きを分析するテクニカル分析は、複雑なチャートを読み解かなくてはなりません。
これまで他の投資取引をしてきた、あるいは充分な知識や経験を持っている投資家にとっては、その技量が生かしきれる裁量トレードが有効的なのだと思いますが、これから投資を始める、もしくは始めたばかりの投資家や、チャートの分析が苦手だったり、勉強をする時間がない人など、様々な人が投資取引を行っているのも事実です。
こういう場合にはシステムトレードが役に立ちます。こういったケースには、自分でルールや条件を決めるのではなく、
ほかの人が作ったものを取り入れて使用するのが良いでしょう。
システムトレードにはこうしたものも用意されていて、予め条件やルールは組み込まれていますので、たとえ技量や知識が乏しくとも、投資取引を行うことが出来るのです。
自動システムトレードの技術はどんどんと進歩していて、今では複数の取引会社がこれらのプログラムを提供しており、
売買システム、
売買プログラム、
EA
や
ストラテジー
などの名称で提供されています。有料や無料のものがありますが、こうしたプログラムのほとんどは、世界でも有数な投資のプロたちがそのルールや条件を設定しています。
こうしたプログラムを使えば、
経験の浅い投資家でもプロと同様の投資取引
が、しかも自分の取引ツール上から行えるのです。
こうしたプログラムを使うことは、専門家の腕をそのまま自分で振るうことが出来るほかに、その取り引きを体感することで、
プロの目線を間近に学べるという利点があります。
このように、システムトレードを使うと、それまでの生活スタイルを崩すことなく、難しい投資の知識や経験がなくても、投資取引を行えるのです。