FXと外貨預金
FXの仕組みと外貨預金の仕組みは、似ている部分があります。このことにより、FXでも外貨預金と同じような投資取引が行え、なおかつ、その本来の機動性から、よりきめ細かく、より有効的な使い方をすることができるのです。そのポイントとしては……
・信用取引である「レバレッジ」を低く使いリスクを抑える
・購入単価を小さくするために「ドルコスト平均法」を用いる
・為替の変動によるリスクを回避するため、利益がでた「ポジション」は売る
・通貨を分散させ、リスクの分散を図ることができる。
・最大レバレッジを2倍程度にまですれば、投資のための余力を残せる
1.信用取引である「レバレッジ」を低く使いリスクを抑える
FXでは、取引業者に証拠金を預けることで
信用取引
がおこなえ、これにより
投資した資金よりもより多くの通貨を売買することができ、
これを
「レバレッジ」
と言います。レバレッジを使えばより大きな利益を得ることができるのですが、
損失を含んだ場合にはそのぶんも大きくしてしまうので注意が必要
になります。
FXで外貨預金のように運用するには、
2つの通貨の金利差を利用
します。毎日積み上げらるために長い期間が掛かります。この間に高いレバレッジで含み損を抱えると、危険な投資と判断した取引業者が強制決済を行うため、
レバレッジは低く抑える必要があります。
2.購入単価を小さくするために「ドルコスト平均法」を用いる
外貨預金では為替の変動のリスクを軽減するために、数回に分けて通貨を購入します。これになぞらえ、
FXでも数回に分けて通貨を購入することでリスクの軽減が図れます。
この場合、FXでは為替レートを指定して注文が行えるため、より細かいリスク軽減が可能です。
これを成すために、決まった数量の通貨を毎月買うのではなく、
決まった価格で通貨を購入するドルコスト平均法を用いていけば、
為替レートによる購入価格の変動を平準化できるようになります。
また、この場合にも、為替レートを指定して購入する指値注文を行えば、さらにその効果は高まります。
以下のようにFXで指値注文を使い、無期限購入して下げていくと、枚数が増えていきます。
・1ドル=105.00円で2000ドルの買い
・1ドル=102.50円で2000ドルの買い
・1ドル=100.00円で2000ドルの買い
・1ドル=97.50円で2000ドルの買い
・1ドル=95.00円で2000ドルの買い
3.為替の変動によるリスクを回避するため、利益がでた「ポジション」は売る
FXは外貨預金とは違い、通貨の売買でも利益を得ることができます。ですので、為替が変動して利益が出た時点で、保持している通貨、いわゆる
「ポジション」取りをしている通貨を細かく売買して、利益を確定することもできます。
ただし、スワップポイントを狙って取り引きする場合は、
金利の高い通貨で金利の低い通貨を買うパターンになると、
逆にスワップポイントを支払う形になりますので、注意が必要
です。
FXは2つの通貨の売買を行い、その為替差益を求めていくことが基本のスタイルとなっていますので、ポジションの扱い、利便さには特化しています。これを利用し、為替レートの変動で利益が出た場合には、通貨を売って利益を確定することができます。また、その際の
手数料も格段に安く、
ポジションを柔らかく使える一助
になっています。
こうした利便と小回りの良さは、外貨貯金との大きな違いと言っていいでしょう。外貨預金であれば手数料も高く、売り買いは安易には行えず、とくに定期預金の形を取っていれば、急な解約はできませんので、為替レートの変動によるリスクを回避することは大変に難しいのです。対するFXはいつでも、対応することが可能です。
4.通貨を分散させ、リスクの分散を図ることができる。
FXでは、通貨を扱う場合にはその通貨の枚数を単位と呼び、1000通貨単位、1万通貨単位、という具合に、その単位ごとに売買を行います。このことを利用し、
通貨単位ごとに様々な種類の通貨でポジションを持つことで、
為替レートの変動などによるリスクを分散させることができます。
この場合も
手数料はとても低いか、もしくは無料な取引業差も多い
ので、分散させること自体がコストとなり利益の足を引っ張ることなく、ストレスなくリスク回避を行えるのです。
5.最大レバレッジを2倍程度にまですれば、投資のための余力を残せる
外貨預金よりも有利に安全にFXを運用していくためには、
最大の難敵である取引業者の強制決済を回避する必要があります。
これには、先の通りレバレッジを低くすることが肝心なのですが、為替レートの流れを掴み全体が見えてきた場合には、
2倍程度までレバレッジを上げてもいいでしょう。
これにより利益が増えますので、利益が出た分は利益確定で取り込みを行い、その利益は新しいポジションの作成や、経済指標の発表などで為替相場が大きな変動を見せた場合の投資余力としておくとよいでしょう。