FXにおける証拠金の考え方
証拠金で少額でも投資可能に
FXは、日本語で外国為替証拠金取引とも呼ばれています。取引業者に開設したFXの口座に、自分の資金を
証拠金として預け、それを担保にして取り引き
をおこないます。
これにより、
投資をする際に少ない資金でも、信用取引で取引業者から資金を借りることができ、
大きな投資を仕掛けることが出来るようになるのです。
これがレバレッジと呼ばれるFXの特徴の一つで、少額で投資が行える仕組みになります。
投資をするためにも証拠金が必要なのですが、その証拠金の額は取り引きする金額に対して、多くの場合は2%から5%となっており、取り扱う銘柄や通貨の種類、取引業者によっても変わりますので、しっかりと確認をすることが必要なのです。
例えば、1ドル100円の為替レートで1万ドルを取り引きすることになった場合、その取引金額は100万円となるので、
2万円から5万円が必要証拠金
になります。
証拠金維持率
実際の取り引きを行うときには、この必要証拠金に対する維持率を頭の中に入れておく必要があります。
これを証拠金維持率と呼び、これをいかに高く保ち続けるかという事を考えていかないと、FXの投資取引は成功しません。
証拠金維持率は、
必要証拠金
と
有効証拠金
という2つの要素から成り立っています。
必要証拠金というのは先ほどの説明の通りで、
取引金額にFX業者の定めたパーセンテージを掛けたもの
になります。
もう一つの有効証拠金というのは、
保持している通貨の価値の事
を指し、
必要証拠金にその時に抱えている通貨の評価価格の利益、または損失を足したもの
になります。
この2つの要素を以下の計算式に当てはめて導き出されるのものが、証拠金維持率になります。
(有効証拠金÷必要証拠金)×100=証拠金維持率
例えば先の例で、1ドル100円のドルを1万ドル分、100万円の取り引きで5%の必要証拠金を取ることにします。
必要証拠金の値は5万円
になり、このまま為替レートが変動しなければ、利益も損失も含みまず
有効証拠金も5万円
のままですので、
証拠金維持率は100%
になります。
仮にレートが100円から101円になったしましょう。この時に保持している1万ドルの価値は101万円になります。
そうすると、1万円の利益を含むことになり、
有効証拠金は6万円
になるため、これにより
証拠金維持率は120%
になります。
次にレートが100円から99円になったとしましょう。この時に保持している1万ドルの価値は当然下がっていきますので、日本円では99万円になります。
今度は1万円の損失を含むことになったので、
有効証拠金は4万
になり、
証拠金維持率は80%
になってしまいました。
証拠金維持率を高く保つべき理由とは
さて、この証拠金維持率を高く保っておかなくてはならない理由とは何でしょうか。
もちろん、
この維持率が低くなるほど、損失を含んでいる
という事はお分かりいただけると思いますが、実は取引業者は、顧客の甚大な損失を防ぐために、証拠金維持率が低くなると、様々な安全策を講じてくるのです。
【マージンコール】
一つは、マージンコールと呼ばれるもので、証拠金維持率がある程度下がると、そのことを顧客に通達し、証拠金を増資するか、今の取り引きを決済して解消するかを行い、
証拠金維持率の回復をするように促します。
このマージンコールが通達されると、これ以上の損失の可能性を抑えるために、
新規に注文をすることが出来なくなります。
もし取り引き中にマージンコールを受けたのであれば、
保持している通貨の評価価格が下がり、危険な状態である認識を持つ必要があります。
【ロスカット】
もう一つはロスカット、強制決済と呼ばれるもので、先のマージンコールを受けても状況が改善がされないまま、欲し時ている通貨の含み損が広がってしまい、証拠金維持率が大きく下がった場合。こういう場合には取引業者側が、顧客の元本割れのリスクを最小限にするため、
強制的に保持している通貨をその時点で決済してしまいます。
含み損を抱えたままの決済になるので、当然、大きな損失を突然に被ることになり、想定外のリスクを負ってしまうことになります。
なお、このマージンコールとロスカットが発動する証拠金維持率のパーセンテージは、取引業者によって違いますので、業者に口座を作る前によく確認をしておいた方がいいでしょう。