FXでの運用資金を考える
FXは投資取引になります。外国為替証拠金取引とも言い、取引業者に証拠金を預け、それを担保に信用取引をおこない、少ない投資で大きな利益を求めていきます。
初期資金が少ないので人気がありますが、きちんと投資を行うのであれば、
資金量は豊富な方が有利です。
50万円の資金に対して10万円を稼ぐためには20%の利益率を求めなくてはなりませんが、500万円ならわずか2%で達成できてしまいます。
実際は様々なコストがかかりますので、もう少し利益率がなくてはいけませんが、資金が多いほどリスクを冒さずに利益を上げることが出来るのです。
資金をどう調達するか
元来は投資取引は、余力資金、つまり、
生活に必要なもの以外の余剰のお金を使うのが基本
となります。多くは
自分の預貯金
を使うことが多いでしょう。
しかし、中には
金融機関から運用資金を借りて投資取引をする人
もいます。通常であれば考えられないことですが、借金したお金を投資に回すのです。こうした人には初心者はあまりおらず、過去に投資取引で利益を掴んだ経験を持っている人がほとんどです。
利益を掴んだ経験がある人の場合は、なんらかの形で資金が底を突き、しかし、資金があれば勝てるだろうと考えて借金を作って投資を行うのです。
もちろん、うまくいくことは稀で、借金をしながら投資取引をするという事は精神に大変なプレッシャーを抱えることになります。また、借金で借り入れられる資金は少額であるため、少ない資金では利益率を高く伸ばしても実際の儲けは少ないのです。
借金状態での投資取引の圧
自己の余力資金による投資でさえ、投資がうまくいかずに負けが続くと、精神的に大きくダメージを受けます。それに輪をかけて、投資している資金にすら返済という圧がかかった状態では、
とても冷静な相場分析や予測判断は望めないでしょう。
例えばカードローンなどは、その返済がいわゆるリボ払いであることがほとんどです。月々の返済額は小さいですが、返済期間が長ければ長いほど利息の支払いが多くなるために、なかなか完済できないのが現実です。
借り入れた直後に大きく勝って、すぐに借金を返済して残りの利益を元資金にする、などという事は、ほぼ起こりません。実際は少しずつ負けがかさんで追い詰められていき、資金が少なくなればなるほど、リスクを冒して投資をしようという心理になるために、
ますます投資が荒れて資金を失っていくのです。
こんな状態で投資取引をしても、まともに状況を見ることなどできません。常に為替レートと、自分の借金の返済の事が頭から離れなくなります。
チャンスを狙って信用取引であるレバレッジを大きく使うかもしれません。しかし負けてしまえば、その分、負けも大きくなります。こんな状態ではとても投資など行えません。
マージンコールにどう対応するか
自分の余力資金を使ってFXをしていても、レバレッジを使って投資をしている場合には、
マージンコールが発生することもあります。
マージンコールは、取引業者が顧客に出す警報のようなもので、保持している通貨の評価損益のマイナスが、預けている証拠金にたいして一定の割合になると、
証拠金を追加するか、保持している通貨を決済するように迫る
のです。
レバレッジを使っていると、含み損も大きくなる
ので簡単にマージンコールが掛かります。この時に
損失を覚悟して通貨を決済すればいい
のですが、慣れた投資家は証拠金を追加してしのごうと考える人もたくさんいます。
実際には、マージンコールがかかった時点で、その取引は失敗ですので、
証拠金を追加してもほとんどの場合は、その取引はうまくいきません。
また、その追加金も自分の預貯金などから足せればよいですが、資金が足りずに借金で補おうとする人も多いのです。
金融機関などから借金をしたお金は、もちろんFXの証拠金の追加に使っても問題はありません。ただ、先のようにすでに失敗している投資ですので、うまくいくことは稀です。
最初に預けている証拠金の額にもよりますが、すでにそれに対して一定のマイナスが入り、プロであるFX取引業者が、顧客の資産と自分たちの資産を守るために一時ストップをかけるのですから、
証拠金を追加したところで好転する事などほとんどない
のです。
お金の使い方はその人個人の判断であり自由であるため、借金をして投資をすることも、証拠金を追加することも構わないのですが、投資による借金は、免責不許可事由に該当するために、
自己破産しても免責されない可能性があること
を覚えておきましょう。
また、通常に取引をしていても、稀に見る為替相場の乱高下やリーマンショック、スイスショック、フラッシュクラッシュなどにより、資金が元本割れをし、FX取引業者に対する借金が発生した場合は、
自己破産をしても負債金が残ることもある
のです。
投資取引は甘くはありません。まともに取り組んでいても利益と損失は隣りあわせですので、
リスクにリスクを上塗りするような借金での投資は、絶対に控えるべきでしょう。