FXの利益を繰り延べて節税する
FXは2つの通貨を売買し、為替レートの変動を利用していく投資取引ですが、
この特性を使って、利益を繰り延べて節税を行う方法があります。
通貨を保持することを
ポジションを取る
と言いますが、売るためのポジションと買うためのポジションを両方もってしまい、
年末の課税対象期間の切り替えを狙って同じ額の通貨の売買を行う
のです。
年末に損益を出し、その損益を年明けにそのまま取り戻せば、年末に出した損失分を、それまでの利益から差し引くことが出来るので、
課税対象額が下がって納める税金が少なくなるのです。
この繰り延べ分は新しい年に含まれてしまいますが、その分の利益を上げれば消化できますし、消化できない場合はまた次の年に繰り越していくことが出来るのです。
必要経費を計上して節税する
FXで納める税金に関しても、必要経費を計上することが出来ます。地道な方法ですが、難しい予測を当てるよりも、
目の前にある誰でもできることを丁寧に行っていくこと
が、利益率を上げることに直結します。経費として認められる主な項目は以下の通りです。
・FXでの売買手数料や振込手数料
・通信費(ネット接続料金、電話料金、郵送代など)
・FXに関連した書籍や雑誌などの購入費
・FXに関連したセミナーへの参加費用や、そのために掛かった交通費
・FXの取り引きを行うために必要な会議費用(例えば飲食代など)
・FX取引に使われる情報商材やソフトウェア、PCなどの購入費
こうしたものを必要経費として計上するためには、電車などの領収証をもらえない公共交通機関を除いて、
必ず領収証が必要となります。
また、領収証を集めて計上しても、それを必要経費と認めるかは、税務庁の判断になります。
法人化をして節税する
もし、FX取引での利益が大きいのであれば、
法人化をしておくと大幅に節税をすることが可能になります。
法人にかかる税金は以下の通りになります。
・法人の利益が800万円以下の場合は約30%
・法人の利益が800万円を超える場合は約40%
法人になった場合、FXの収益は事業所得になるために、株取引などの
ほかの投資取引の損益と通算ことが出来ます。
また、
家族を役員にし給与を出すことで節税が可能です。
また、法人として運営していく場合は必要経費参入の余地が広く、ほかの事業も内容として含んでおけば、それらに関わる会議費や車両費なども経費として計上することが見込めますので、大きく節税をすることが可能になります。
FX取引を法人化する投資家が、FX取引とは違うものを事業目的の約定に入れるのは、こうした目的も一部あります。実際にこれから行っていきたい事業を項目として立てておき、例えば収益が上がらなくとも、その事業に即した活動の必要経費を計上することも可能であるため、こうした経費も認められる余地があるのです。
法人化は前もってしておく必要がある
例えば、
「FXで大きな利益が出たので、この利益を少しでも減らさないようにするために、法人化をして大きな節税を行いたい」
もしくは
「大きな損失が出たので法事化をし、7年間の繰越控除制度を利用して、将来的な税金対策を行いたい」
と考える投資家の方もいるかもしれません。しかし、これを行うことはできないのです。
これは、利益も損失も含めて、
個人と法人では通算が行えない
という決まり事があるからです。ですので、個人でそうした利益や損失を持ったとしても、何もできません。
法人になれば維持費もかかりますし、立ち上げるにも解体させるにも費用が掛かります。もし、法人化を考えているのであれば、充分に時を見てからの方がよいでしょう。