損切りを重要性を考える
損切りとは、
損失を確定させて取り込み、損失の拡大を防ぐこと
を言います。
あらゆる投資取引において、損切りという考えは、大変重要な要因になります。しかし、FXでは他の投資取引よりも、特に重要視するべきです。例えば株式市場では取引時間が限られていますが、世界中に市場のある
外国為替市場では、24時間つねに取引
が行われています。またインターネットなど、高速化された情報網を使ってやり取りが行われているために、世界の事象に対する相場の反応は敏感であり、時間を待たずに大きな上昇や下落が起こります。休みなくこれを追い続けることはできないため、
FXでは常に損切り注文を出しておき、不測の事態に備える必要があるからです。
利食いが先か、損切りが先か。
損切りの対になる言葉として、利食いがあります。利食いとは
決済をして利益を確定すること
で、よく、損切り早く利食いは遅く、というような言葉を耳にしますが、これを実行することはなかなか難しいことです。利益が出れば下がるのが恐くてすぐに決済をしたくなりますし、損失を含めば回復を待ちたくなるものです。
特に初心者のうちはこうしたケースに陥りがちです。
すぐに利益を取り込むために、勝率としては好成績になるために、とても儲かったような気がするものです。しかし、これではなかなか勝てないという事はお判りでしょう。
例えば薄い利益をたくさん積み上げたとしても、
一回の損失が大きくなってしまえば、それだけで今までの利益が無くなってしまいますし、
一度抱えてしまった損失を取り戻すにも時間がかかってしまう
のです。
一度に大きな利益を見込むのか、小さな利益を積み上げていくのか、これは難しい問題で、
その投資の方法や、
相場の状況、
場合によっては
投資家本人のライフスタイル
についても考慮する必要があると思います。しかし、ただ一つ確実に言えることがあります。それは、
損失は小さければ小さいほど良い
ということです。つまり、利食いは千差万別であっても、損切りのスタイルは一つだけ、
小さいうちに早く行う
これが鉄則なのです。
損切り注文は自分のルールで決める。
損切りの注文を出すことは、なかなか難しいものです。そういう場合には予め自分でルールを決めておくと、決断しやすくなります。
例えば、
初めから損切りをする損失額を決めておき、
保持している通貨の含み損がその値に達したら、
必ず損切り注文をするよう
にしておけば、迷うことはなくなるでしょう。こうすることにより、相場に惑わされずに機械的に損切りを行えます。
また、
自分の予測の根拠が無くなったら、必ず損切りをするという事も必要です。
例えば、
「経済指標の発表が行われて経済が上向く情報がもたらされる」
というニュースが入ってきたとします。このニュースを予測の根拠にして新規の注文を立てたのですが、このニュースがガセで、
「実際に発表されたのは経済は平坦」
という発表だったとします。こうした場合は、予測を立てた根拠が無くなってしまって、その予測自体が無効になるために、
損切りをして取り引きを終えた方がリスクが少なくなるのです。
FXを含めたすべての投資取引で、常に勝ち続けることは不可能です。しかし、
損失を抑え利益を最大限に有効化することは可能
です。損失を恐れず、小さく取り込んで、そのミスをきちんと分析して対策を立て直し、次の取引に備えることが投資には必要なのです。